補聴器についてのアドバイス
補聴器はきこえを助ける医療機器であって、聴力そのものを治療する道具ではありません。
はじめて補聴器を装用した時、一度にいろいろな音がきこえてくるため、肝心なききたい音がきき分けられず不便に思う事があります。しかし、時間をかけてゆっくり練習すれば段々と使いこなせるようになります。いくつかポイントをご紹介します。
- まず補聴器になれましょう。静かな所で、時計の音など単調な音をきいてなれてみましょう。
- ご家族やまわりの方の協力を得る事もとても大切です。なるべくゆっくり語尾をにごさずに話してもらいましょう。また、不意に後ろから話しかけられても気がつかない場合もありますので、なるべく相手の方に注意を向けて正面からきく事が大切です。
- はじめから長時間の装用はさけましょう。あまり耳に負担をかけず、少しずつ時間をかけてなれていきましょう。
- はじめて補聴器を装用すると、自分の声がいつもと違って感じる事があります。最初のうちは新聞などの文章を声に出して読んだりすると、段々と違和感が少なくなっていくと思います。
- 補聴器の使用時間は、ご本人の難聴度や必要度によって異なりますが、会議や会合などで一時的に使用したい方も、ある程度普段から補聴器になれておく必要があります。
- 両耳に補聴器を装用する事をお勧めします。片耳だけで音をきくよりも、両耳から必要な音の情報を得て、理解するほうが効果的です。聴力レベルや経済的な問題がない限り、両耳に装用するのが一般的です。
- まずは診察して、耳の病気がないか、治療が必要かどうかを診断します。問題がない場合は、聴力検査を実施し、データをお渡しします。そのデータをもとに補聴器専門店またはご自宅にて、ご自分に適した補聴器を選定していきます(認定補聴器技能者が訪問致します)。
- 当院では(財)テクノエイド協会加盟の認定補聴器専門店と提携しております。ご不明な点は担当の技能者にいろいろとご相談下さい。無料貸出しおよび試聴期間を設けております。
補 聴 器 の 形 状 に つ い て
耳穴形補聴器(オーダーメイド)
長 所
- 耳の型を取り製作するため、ぴったり収まり目立ちません。また、はずれる心配もありません。
- 音を集めるマイクロホンが耳の穴の位置に近いため、耳本来の自然な集音効果が得られやすいです。
- 耳掛形補聴器に比べ、夏場の汗や湿気による故障が少ないです。
短 所
- 硬い樹脂で出来ているため、慣れるまでは圧迫感や異物感が感じられます。
- 聴力の程度によっては自声のこもり、響きが気になる場合があります。
- サイズが小さいため、電池交換や操作面の練習が必要な場合があります。
耳掛形補聴器
長 所
- 種類が豊富なので、軽度~重度難聴まで対応が可能です。
- 最近では耳の後ろに完全に隠れてしまう程小さな器種もあります。
- 耳栓の形状やサイズを換える事によって、こもり感や閉塞感の少ない設定にする事も可能です(オープンフィッティング)。
短 所
- 耳の後ろに掛かっているため、耳穴形補聴器に比べ汗や湿気の影響を受けやすいです。
- メガネと一緒に掛ける時に、邪魔になってしまう場合があります。
- サイズによっては耳穴形補聴器よりも目立つ場合があります。
最近ではどちらの形状でも、テレビなどの音声を直接補聴器に入力出来るワイヤレス通信システムを搭載している器種が多数ございます。ご家族との団らんの時や深夜など、テレビのボリュームを上げずにクリアな音声を補聴器に送る事が出来ますので、まわりに迷惑をかける事も少なくなると思います。くわしくは当院が連携している認定補聴器専門店の技能者にご相談下さい。
試聴期間も設けています。